きずなメール・プロジェクト 代表のblog

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「情報」を「メッセージ」へ。 自治体・企業・NPOによる「子育て支援連携事業」全国大会に参加して

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2016年2月1日(月)、イイノカンファレンスセンターにて、内閣府主催の<自治体・企業・NPOによる「子育て支援連携事業」全国大会>が開催されました。きずなメール・プロジェクトは、自治体とNPO法人の連携事業の例として「文京区子育て応援メール」について報告する機会をいただきました。

報告後、大会の参加レポートをまとめました。きずなメールの事業やコンテンツのへの考え方がまとまっているので、長文ですが、参考資料として全文を転載します。書き手はきずなメールの全コンテンツを編集制作した松本ゆかりです。

 

*************以下転載*************

「情報」を「メッセージ」へ。
自治体・企業・NPOによる「子育て支援連携事業」全国大会に参加して

●初めての自治体連携から3年。文京区との協働事業を報告してきました

2016年2月1日(月)、イイノカンファレンスセンターにて、内閣府主催の<自治体・企業・NPOによる「子育て支援連携事業」全国大会>が開催されました。2013年度からこの大会名で開催されている催しですが、今回、NPO法人きずなメール・プロジェクトは、自治体とNPO法人の連携事業の事例のひとつとして報告する機会をいただきました。

2013年度に、東京都文京区にて「子育て応援メール事業」として、きずなメール(産前・産後)が採択されて以来、毎年、少しずつ自治体での配信例が増えてきました。2016年2月の現在は、全国28自治体で配信中です。「孤育て予防」にきずなメールのコンテンツがきっと役立てるという想いと、「子育ては地域で」という考えから、全国の自治体に提案活動を続けてきましたが、2011年の活動開始から5年経った今、こうした機会を頂戴したことが、これまでの歩みを評価していただいたようで感慨深く、「ここまでの活動の集大成」として発表に臨みました。

発表のステージに立ったのは、文京区男女協働子育て支援子育て支援課の椎名裕治課長と、弊団体代表・大島です。ここまで様々な形で応援、励ましてくださった方、原稿制作者、また他の導入自治体担当者の想いも一緒に、約20分、精一杯お話しさせていただきました。今回の事例発表は全部で5例、最終登壇でしたが、椎名課長や大島の説明に合わせるように、会場から手元資料をめくる音が聞こえてきて、多くの方が真剣に耳を傾けてくれているように感じました。

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●~全国会議に参加して~「想い」と「知恵」の関係を再確認

これまでの集大成ということで、当日は正職員全員で会場入り。自団体の発表だけでなく、他の事例や基調講演を直接聞くことができたことは、各職員にとって貴重な学びの場となったと思います。

私自身も、参加してよかったと心から思える会でした。<自治体・企業・NPOによる「子育て支援連携事業」>ですから、それぞれの立場で連携のメリット、課題を発表するわけです。財源確保、参加者・参加企業の増加、利用者の増加、持続可能な連携体制と課題はいろいろありますが、すべての発表を通じて強く感じたのは、お互いのメリットを最大限にするのも課題を乗り越えるのも、「想い」と、想いがあるからこそ生み出される「知恵」なのだろうということでした。

また、今回の基調講演では、鳥取平井伸治知事が、ユーモアあふれる巧みな話術で鳥取県子育て支援の取り組みを紹介してくれましたが、「ちゃんと伝えてもらうと、人はうれしい」ということを改めて感じましたし、「今やっていることをしっかり伝える」ことに意識的に取組むだけでも、自治体としての子育て支援のひとつになり得るとも感じました。「鳥取は小さい。だからこそ、工夫次第でやりたいことができる」という言葉には、弊団体として非常に励まされました。

事例報告の進行と総括をつとめてくださった渥美由喜氏の「いま、この場に全力を尽くしている」感じもよかったです。プライベートな話が混じりますが、小学生2人を育てている最中の私にとって、「発表会」といえば子どものものばかり。でも、「大人が、本気で、話をする」。こういった大人の発表会が、こんなに自分をエンパワメントしてくれるとは、うれしい驚きでした。

大人だろうが、子どもだろうが、やはり人の「本気の姿」は、人を動かします。「子育て支援は、親(大人)支援」という考え方がありますが、大人同士がエンパワメントしあえること、幸せに暮らすこと、そして、その姿を子どもたちに見せることが、社会をよくする、ひいては、子どもの暮らしやすい社会につながるはずと思います。
エンパワメントしあえる場は、必ずあります。そして、連携事業というのは、その場になる可能性を大いに秘めています。

気持ち先行のレポートとなっていますが、最後に、今回の発表で「コンテンツ」を扱う団体として試したこと、感じたことも2つお伝えします。
ひとつは、きずなメールのコンテンツの特徴のひとつとして、「情報の隣人性」という言葉を初めてつかったこと。きずなメールは、出産予定日や赤ちゃんの誕生日を基点として、その時期にあった情報をタイムリーに、できればピンポイントと思ってもらえるよう届けますが、同時に、きずなメールを読むことで、「ほかのだれかの存在」を感じてもらえることや、だれかに伝えたくなることを目指しています。メール文面によってだれかを感じる、だれかを思い出す。そう感じてもらえることも「孤育て予防」のコンテンツとして重要なことだと思うからです。
そして、もうひとつは、「情報」というのは、伝え方次第で、体温を帯びた「メッセージ」になると再認識したこと。きずなメールの文面そのものはそこをかなり意識してつくっていますが、団体として、『現在、子育て世代に向けて、きずなメールのようなサービスがなぜ必要なのか』を世の中に発信していく際も、ここをさらに意識しなければいけないし、「自治体と市民の関係」においても同じだろうと思います。情報として伝えるのではなく、メッセージとして伝える。こうした試みを、今後、一緒に事業に取り組む自治体とやっていきたいと思います。「想い×知恵」で、かかわる皆が元気になる子育て応援メールを作ります。

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