きずなメール・プロジェクト 代表のblog

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多機能化、複合機能化する「子ども食堂」

子ども食堂

子ども食堂」の今を知るため、ふなばし子ども食堂ネットワーク合同学習会に参加しました。結論からいうと、子ども食堂はさらに多機能化、複合機能化していきそうです。

 

子ども食堂

 

「子どもの貧困」は、「子ども虐待」と並ぶ日本の子育てのニ大社会課題です。「子ども食堂」は、「子どもの貧困」に呼応する民間の取り組みとして広がってきました。現在、全国約2300カ所にあり、主に下記の役割を担っています。

 

①貧困対策
②社会課題のアナウンスメント効果
③地域交流拠点(ソフトインフラ)

 

当初は①から始まりましたが、今は②③の要素も強くなり、今後ますます③が強化されそうと感じました。「多世代交流」の拠点として、地域包括ケアシステムなどの高齢者施策と結びついていく可能性がありそうです。

 

例によって以下、粗々のスタッフ向けメモの共有。★=は僕の独り言。

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・勉強会の名前は「ふなばし子ども食堂ネットワーク合同学習会 “子ども食堂にできること”」。
・参加者の9割女性。
・ふなばし子ども食堂ネットワーク、代表伊藤さん。普段はカフェを経営。
・3年前に始めた。その後5件できて、増えていない。これはカベだと感じている。
・市内のすべての校区に子ども食堂作りたい。
船橋市職員が、船橋市長からメッセージを紹介
子ども食堂船橋市地域福祉の推進、子育て支援に貢献。子どもの貧困が課題である。フードバンク船橋も立ち上がった。子ども食堂は役割が変わり、地域住民同士の交流の場になりつつある」などの内容。
厚生労働省から松戸市に出向中の胡内審議官より、子どもの貧困の現状と国の政策の方向性の説明。
・子どもの貧困は「相対的貧困」。今の日本の子どもは6人に1人が相対的貧困
・ひとり親世帯の相対的貧困率は54.6%。
★この事実は、もっと広く社会で知られる必要があると思う。
・「6人に一人? 見たことないのですが?」という意見も少なくない。理由は、そもそも地域で子どもとの接触機会が激減しているし、また服は普通なので外見だけでは簡単に判断できないという現状がある。
・子どもの貧困率の算出は国際基準に準じているので、国際比較が可能。
OECD経済協力開発機構)諸国でひとり親の貧困率、日本はワースト1。
OECDは「経済開発機構」であって、WHO(世界保健機関)のような健康や福祉の国際機関ではない。なぜ経済機関がこの指標の国際比較をするかというと、国力を見るため。「ひとり親に支援が行きわたらない=国に活力が乏しい」となり、日本への投資は増えない。
★なるほど。
生活保護世帯の子どもの食事のなかで、栄養バランスのある食事は給食のみの事が多い。だから子ども食堂が大事。
農水省子ども食堂での食育活動を推進している。
・経済事情と学力は相関関係がある、という研究がある。
・問題は、希望や意欲があっても、経済事情で将来を諦める子どもたちがいること。
・子どもの貧困をそのまま放置した場合の経済的損失は2.9兆円、財政負担は1.1兆円(三菱UFJリサーチ&コンサルティングの試算による)。これを私たちが負担するから、誰もが「子どもの貧困問題」の当時者。
・子どもの貧困対策の推進に関する法律は現在5年目の見直し中で、子どもの貧困対策策定義務が、都道府県から市町村に移管する見込み。
・地域の多世代交流拠点(ソフトインフラ)になりつつある。
・地域の人々も、そこに来る子どもからパワーをもらっている。
子ども食堂は、行政や国も推進している。
認知症カフェに子どもが来る、という形の発展形もありえる。

★地域包括ケアシステムなどと結びついて「多世代交流拠点」に発展するなら理想的。
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「子どものため」という動機づけは、どんな人も世代もissueに関わりやすくなります 。「子ども食堂」の「子ども」という語は、そういう機能も担っているように感じます。ならば子ども食堂は、餅つきやお祭りの新しい形かも知れず、多世代になるのは自然な流れなのかもしれません。