
「読了して、読書メモを書かないうちは、新しい本を買わない」というマイルールを作っても、Amazonをポチってしまいます。依存症です。依存症を少しでも社会化するために、マイルールを頑張ります。
今回の本は「直線は最短か?」(阪原淳/YAMAHA)。「考える」には、「時間」と「体力」と「方法」が必要です。この本は「弁証法」という「方法」について、哲学書とは異なる切り口で説明してくれます。
弁証法とは何か。「ホットドッグの誕生」の例で説明します。
A:テーゼ(正):パンがあった。
B:アンチテーゼ(反):ソーセージがあった。
C:ジンテーゼ(合):パンにソーセージをはさんでホットドッグを作った。
僕らはすでにCを知っています。でもCがない時代に、Aに対してBをぶつけた人がいたので、Cがあります。この「AにBをぶつけて/組み合わせて、Cを生み出す」思考法が弁証法(dialectic)です。「きずなメール」を当てはめてみます。
A:テーゼ(正):胎児の成長の様子を毎日伝えてくれるコンテンツ
B:アンチテーゼ(反):子ども虐待、産後うつなどの社会課題
C:ジンテーゼ(合):きずなメール
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以下、同書から、「忘れたくない内容」のメモ。▼は感想、私見。
①物語、ストーリーのフォーマット
・ロシアの民俗学者ウラジミール・プロップ「昔話の形態学」(1928年 水声社)。昔話は31の機能とステップで成り立っている。
・神話学者ジョーゼフ・キャンベル「千の顔を持つ英雄」(早川書房)。神話のストーリー「ヒーローズ・ジャーニー」は8ステップで構成されている。
▼スター・ウォーズの脚本がこの本を参考にしていたことは、よく知られている。
ここに着目したのが、ディズニーにいた脚本家クリストファー・フォグラーです。
彼は「千の顔を持つ英雄の実践的活用法」という7ページのメモをハリウッドの脚本家仲間のために書きます。(中略)才能ではなく方法によって、映画のストーリーを作ることができるようになったのです。(「直線は最短か?」P18)
▼検索したら「クリストファー・ボグラー」の和名で出てきた。著書もある。
②構造主義
・今のビジネスに影響力のある思考法の源流に、レヴィ・ストロースらが始めた「構造主義」がある。
・構造主義の手法を駆使するビジネス集団がマッキンゼー・アンド・カンパニー、ボストン・コンサルティング・グループ。
・元マッキンゼー・アンド・カンパニーのバーバラ・ミントが1978年著したのが「考える技術、書く技術」。コンサルタントの基本的な思考法が書かれている。
▼初版1999年で現在47刷。「構造主義をビジネスに適用した方法について多くの人に読まれてきた本」といえる。
▼今のビジネスの源流のひとつに構造主義があると知って納得したし、ホッとした。
②フェルナン・ブローデル
・歴史というと王朝、政権の変遷で語られることが多いが、市井の人々の生活の変化から捉えようとしたのがフランスのアナール学派。
・アナール学派の歴史観を知るならフェルナン・ブローデル「地中海」(藤原書店)は名著といわれている。「歴史入門」(中央公論社)もよい。
③クリティカルマス
▼マーケティング理論の「プロダクトライフサイクル」はどこか疑わしかったが、「量的変化は質的変化をもたらす」の言い換えと知って腑に落ちた。きずなメール・プロジェクトは、まだ量を達しておらず、「キャズム」の中だと思う。
ウミネコの集会? 初めて見た。(写真は本文とは関係ありません)



