きずなメール・プロジェクト 代表のblog

顔と名前を出す人生です。

2020-01-01から1年間の記事一覧

「子どもの最善の利益」に国連の執念を見たような気がした話。

国連「子どもの権利委員会・一般的意見14号:自己の最善の利益を第一次的に考慮される子どもの権利(第3条第1項)」の日本語訳をダウンロードしたら、20ページもあった。 「子どもの権利」というと、「子どもが好き勝手やるの?」的なイメージの人は少な…

「子どもの権利条約」に「愛」という言葉は1箇所だけ。

必要があったので、改めて「子どもの権利条約」を通読しました。その備忘メモ。 * * * ・「子どもの権利条約」に「愛」という言葉は、前文に一箇所だけ。 (英文)Recognizing that the child, for the full and harmonious development of his or her pe…

「編集者」と「NPO」について。

「大島さんは経営者ですよね」といわれると、いまだに落ち着かないです。ですが「編集者」として、団体を「編集した」感覚はあります。実際に編集者だったのは2007年までですが、未だに「自分は編集者」という気持ちがあります。 この記事の目的は2つ。 ・僕…

「請負」ではなく、「協働」のための契約へ。

2017年、団体として初めて「協定」で契約を締結しました。相手方は基礎自治体・岡山県奈義町です。 これを機に、自治体との契約について、「委託契約ではなく、協定のような形の方が実情に則している」と考えるようになりました。 「委託契約」の中身のほと…

「非接触」な支援としての「テキストメッセージング」

Covid-19により、児童福祉分野、医療分野でも「非接触」な支援が注目されています。僕は「テキストメッセージング」が、大きな可能性を拓くと考えています。 「テキストメッセージング」という語は、国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センターの精神…

公衆衛生学と「言葉がキレイになる。」

新型コロナウイルス感染拡大を防ぐため、公衆衛生学が颯爽と現れました。おかげで今、力強く、手洗い習慣が浸透しています。「少しくらい手を洗わなくても平気」に戻ることはないでしょう。手がキレイになっていくように、言葉もキレイになっていく、と僕は…

「文字と組織の世界史:新しい「比較文明史」のスケッチ」読書メモ

歴史好きです。昔の人たちが、どんな言葉で話していたか、文字を使っていたのかが気になって仕方がありません。Amazonで同書のコメントに「カタログのようで期待はずれ」とありましたが、誘惑に勝てず買ってしまいました。長らく入浴時のお供でしたが、想定…

「家事事件手続法23条」による子どもの手続き代理人について

団体内で「子どもの権利条約」のオンライン勉強会を開催しました。団体設立10年目を機に、「コンテンツよる親支援」から「子どもの育ちを支える」ところまで視野を広げようという学びの一環です。 講師は弁護士の山下敏雅先生。この分野の第一線で活躍してお…

「継続企業の前提」とイエズス会

僕はきずなメール・プロジェクトを継続させたいと思っています。継続させるには、10年後や20年後の具体的なイメージを共有する必要がある、ならば専門家に何か特別な研修やプログラムをお願しないと、などと考えていました。そんな時、「ゴーイング・コンサ…

「きずなメール事業」を「テキストメッセージング」という方法論で一般化していく。

「きずなメール事業」を一般化したいと考えています。「一般化」とは、同じことをやりたいと思った人が、同じレベル感でできるようになるという意味です。再現性を持たせたい。同じような手続きでコンテンツを編集し、同じように事業を構成することを、別の…

addiction(嗜癖)について。

生活や社会の出来事を、脳の「addiction」(アディクション)で説明できるのではないかと考えています。和訳すると「嗜癖」(しへき)。「依存」にも近い。何かに依存しない人間はいないと思います。 * * *前提人間の脳は、同じことを考え続けることがで…

「わかっていなかったこと」について。

「わかっていなかったこと」が「わかる」のは、それが「わかった時」です。 妻は、わかめと豆腐と玉ねぎの味噌汁をよく作ります。彼女がこれをよく作るのは、「好きだから」だということを、僕は最近まで「わかっていなかった」のでした。 「嫌いなものを、…

「音と模様」を共有している私たち

先日、風呂の中で突然、ある詩の一節の意味が腑に落ちました。その備忘として。「詩の本質は、発語の共有だ」現代詩作家・鈴木志郎康の作品「住んでる人しか知らない道」の言葉です。20年ほど前、僕はこの詩作家の愛読者でした。とくにこの作品が好きで、で…

「協同組合入門」読書メモ

協同組合という仕組みに興味があるので、先日、近くのコープで「組合員になりたいのですが」と申し込んで、組合員になりました。ご近所さんにこの話をしたら、貸してくれたのがこの本。 協同組合入門―その仕組み・取り組み 発売日: 2006/11/01 メディア: 単…

「家族、捨ててもいいですか?」読書メモ

この本を読み始めた時、「この空気感、知ってる」と感じました。 思い込みですが。 家族、捨ててもいいですか?~一緒に生きていく人は自分で決める 作者:小林 エリコ 発売日: 2020/05/10 メディア: 単行本(ソフトカバー) こう感じたのは二度目です。最初は…

大きな言葉、小さな言葉。

大きな言葉。人を結びつける言葉。 小さな言葉。生活の言葉。 大きな言葉。私たち、我々、人間とか、人類とか、社会とか、コミュニティとか。 小さな言葉。僕、俺、私。 * * * NPOの仕事をしてると、言葉が大きくなっていく自覚はあります。意図せず膨らんで…

「保育園に通えない子どもたち~「無園児」という闇」読書メモ

#stayhome により読書強化月間継続中。今回は「保育園に通えない子どもたち~「無園児」という闇」 (ちくま新書/2020/4/7)。副題の「無園児」とは、保育園、幼稚園に通っていない「未就園児」と、「無縁」をかけた言葉(P8)です。 著者の可知悠子先生には…

「目の見えない人は世界をどう見ているのか」読書メモ

#stayhome ということで、いつにも増して読書に集中。 30代の頃、耳の聞こえない人がどのようにコミュニケーションをしているのか知りたくて言葉のない世界に生きた男(晶文社 1993年)やヘレン・ケラーの伝記を読みました。今回は目の見えない人は世界をど…

#みんなで乗りこえよう

今日の夕方にも緊急事態宣言が出るそうです。テレビの画面の向こうでは、その中身を詳しく解説してくれます。 スタジオで。 大事なことを伝えるために、皆さん外で仕事をしておられる。そのことに頭が下がります。 緊急事態宣言の具体案を作っている人々、例…

「人と人の距離感」と、きずなメール。

新型コロナウィルスの感染拡大にともない、自治体における「きずなメール」の臨時的な対応が増えています。 「きずなメール」は「通常配信」と「月日指定配信」があります。基本原稿+自治体情報による「通常配信」は自動で行われていますが、日時を指定して…

「孤育て」から「子育ち」へ。

「孤育て」の予防から「子育ち」の支援へ。 団体創設10年目を迎える 今、僕はこのメッセージを皆さんにお伝えしたいと思っています。 * * * 団体を設立したのは、10年前の11月3日。準備は春くらいからやっていましたが(記憶おぼろげ)、まだ名前のない「…

「おじさん保育園」と「ケア責任」について考えてみた。

「おじさん」という存在は、もうそれだけで威圧的です。「不機嫌なおじさん」はさらに威圧的です。僕は今53歳ですが、「そこにいるだけで威圧的に映るらしい」ということが自覚できたのは、恥ずかしながら最近。以来「ひとまずにこやかに話す」などを意識し…

子どもに怒る自分に悩む。「怒りをコントロールできない子の理解と援助」を読んで。

良書の見分け方に「版を重ねている」というのがあります。初版で終わる本が多い中、この本は写真の通り、14年間に23回も増刷されていて、特定の人々に確実に役立ってきたことがわかります。立ち読みでこの奥付を見て、購入しました。 怒りをコントロールでき…

言葉としての「権利」と「虐待」。

言葉は認識の枠組みです。だから、言葉が変わると認識が変わります。認識が変わると行動が変わります。行動が変わると社会が変わります。ただし、言葉をどのように変えるかは、僕ら次第。 「精神分裂病」は「統合失調症」と言い換えることで、当事者への偏見…