きずなメール・プロジェクト 代表のblog

顔と名前を出す人生です。

「非接触」な支援としての「テキストメッセージング」

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Covid-19により、児童福祉分野、医療分野でも「非接触」な支援が注目されています。僕は「テキストメッセージング」が、大きな可能性を拓くと考えています。


「テキストメッセージング」という語は、国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センターの精神科医・中嶋愛一郎先生に教えていただきました。日本ではこれから開拓される分野ですが、世界各地で試みられているようで、僕が情報を発信したら、関係者が情報を寄せてくださるようになりました(感謝)。それらを備忘として共有します。


sms4dads 
https://www.sms4dads.com/

f:id:yukkiestar:20200821144937p:plain多忙な父親に向けてショートメール(SMS)でメッセージを送るので"sms4dads"。オーストラリア・ニューキャッスル大学の研究です。僕もブログで紹介させていただきました。 

textMATCH
https://healthybabies.org.nz/sign-up-to-textmatch/

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 ニュージーランドのサービス。2014年に公衆衛生プログラムの取り組みとして始まりました。妊娠期から生後21ヶ月まで。5ヶ国語で、なんと日本語もある!ということで登録しようとしましたが、海外からのショートメールは受け取れないようです涙。

 

text4baby
https://www.text4baby.org/

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アメリカのサービス。妊娠中から1歳誕生日まで、週3回、無料テキストが送られてきます。テキストは専門家が作っています。

Women who text BABY (or BEBE for Spanish) to 511411 receive free text messages three times per week, timed to their due date or their baby's birth date, through pregnancy and up until the baby's first birthday. Text4baby sends personalized messages directly to you, and the texts have information you can trust because they are developed by experts from all over the country.


妊娠中から赤ちゃんの1歳の誕生日まで、週3回無料のテキストメッセージを受け取ります。Text4babyはパーソナライズされたメッセージをあなたに直接送ります。テキストは全国の専門家によって開発されているため、信頼できる情報です。

こちらにメッセージの項目がありますが、"Family Violence" (家庭内暴力)、Substance Abuse(薬物濫用)など、切実さが感じれます。 

Messages on Critical Issues

Prenatal Care
Safe sleep
Immunization
Breastfeeding (Breastfeeding Content Fact Sheet)
Nutrition
Oral Health
Immunization
Family Violence
Physical Activity
Safety
Injury Prevention
Mental Health
Substance Abuse
Developmental Milestones

アプリがあるのでDownloadしようとしましたが、Regionが違うので不可でした。残念。


Enhancing reciprocal partner support to prevent perinatal depression and anxiety: a Delphi consensus study

産後うつと不安を予防するための相互パートナーサポートの強化:Delphiコンセンサス研究


こちらは「テキストメッセージング」そのものではなく、「テキスト」(原稿)の作り方の情報として。

専門家が繰り返しレビューを実施することで質を担保する「Delphi Method」という方法があります。これを用いて、産後うつを予防する研究の論文です。

www.ncbi.nlm.nih.gov 

Kizunamail きずなメール

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「きずなメール」も、安心を言葉にのせて孤育てを防ぐための「テキストメッセージング」です。基本となるテキスト(原稿)は、専門家がレビューを繰り返して作られています。現在は主に自治体事業として展開していて、定量的な効果測定の研究も少しずつ始まっています。

 

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きずなメールを始めた10年前は、「メルマガですね」とよく言われました。でも僕は「"メルマガ"という言葉遣いがそのものが、可能性を限定するから、少なくとも僕はそのような言葉遣いでは捉えないようにしよう」と自分に言い聞かせてきました。

 

僕は歌人奥村晃作先生のファンで、一度だけお会いしたことがあります。そのときに頂いたのが、下記の言葉です。 

心が動いたときを表現する。人間、いつも変化している。日々感動している。それを忘れているだけ。毎日変化して、毎日新しい。富士山をみて感動した、そういう大きいのもいいけど、例えば石ころを見て、心が動いた、そこに言葉をあわせていく。言葉が合えば、石ころでも凄いんですよ。 

きずなメールは「テキストメッセージング」という視点を得て、”言葉が合って”来たように感じています。ということで皆さん、頑張っていきましょーーー。