きずなメール・プロジェクト 代表のblog

顔と名前を出す人生です。

きずなメールとは

きずなメール事業の参考になる「不可能を可能にした実例」2つ~読書メモ「人生を逆転する学校: 情熱こそが人を動かす」

「不可能を可能にした実例」は、人を励ましてくれます。この本に、きずなメール事業に直結する例が2つあったので、共有します。 人生を逆転する学校 情熱こそが人を動かす 作者:宮澤 保夫 角川書店 Amazon 著者は、町の塾から一代で、幼稚園から大学までの教…

支えてくれたのは「疑いようのないfact(事実)」。

きずなメールの仕事をしていて、気持ちが折れそうになるときがあります。そういうとき、「疑いようのないfact(事実)は何か」を考えます。デカルトが、すべてを疑い尽くして最後に「疑っている自分がいることは、疑いようがないfact(事実)」(我思うゆえ…

本当に「プッシュ型」できていますか…? こども政策における「プッシュ型」情報発信について

本論は下記ような方に向けて書いてます。 ・市民の情報の取得格差が大きくなっている今、「基礎自治体として漏れなく情報を届ける」という社会的要請について考えている方。・行政には人の助けになるサービスや事業があるので、必要とする人にそれを知っても…

自分がやっていることの価値をダイレクトに感じられる仕事をしたい。

自分がやっていることの価値を感じにくい時代です。 きずなメールを設立した時、自分がやっていることの価値をダイレクトに感じられる仕事をしたいというのも、実現したいことのひとつでした。そうでないと続かないですから。 別の言い方をすると、「自分の…

「子育て支援」って何かご存知ですか?

突然ですが、「子育て支援」って何かご存知ですか?以下、個人的な仮説です。 「子育て支援」って比較的新しい、ここ30年くらいの政策ジャンルです。 戦後日本の子どもに関する政策は、生まれてからは主に「医療」と母子「保健」、幼稚園・小学校に入ってか…

「孤独」と「孤立」の違いとは。

スタッフのブログ(「本人も自覚しきれていない孤独」をキャッチする)が教えてくれました。 www.kizunamail.com 「孤独」は、それを感じる主観的な「感情」のこと。「孤立」は、客観的に見て他者とのつながりが少ない「状態」のこと。 誤解を恐れずにいうと…

公的な情報を届けるための最大公約数を考えると「メール」が残る。メールは「基礎メディア」。

自治体等の公共機関が「住民全体に正確な情報を届けたい」とき、費用や手間から「ワンストップ」「一元化」したい気持ちはわかります。ですが当の地域住民が情報を得る方法は千差万別。年配の方にはいまでも「紙」が届きやすい一方で、若い世代はInstagramや…

「子育て応援メール」から脱却します。

2003年:アメリカに住んでいた妻の友人が、妊娠した妻に、「The Pregnancy Journal」という「胎児の成長を毎日紹介している本」をプレゼントしてくれました。 2006年:「The Pregnancy Journal」の翻訳本「安心マタニティブック」が発売されました。 はじめ…

きずなメールはなぜ読者=Customerから費用をいただかないのか。

思考実験です。自治体のきずなメール事業の費用の構成は、ざっくりとこんな感じ。 ①配信費用(サーバ、プログラム、今だとLINE公式アカウントの従量課金費用)②基本原稿の編集制作・監修費用③自治体情報等、ローカライズするための編集制作・監修費用④「適切…

お客さんがいるにも関わらず、事業が終わったことへの驚き。

先日、顧客(customer)1000万人を超える企業の経営者の方と話す機会をいただきました。そのとき、自治体を事業対象とすることに意欲があるかをお聞きしたところ、「社内に手がける人がいないし、customer向けのサービスをやってきた」(のでなんともいえな…

全力のポジショントーク。

「ポジショントーク」とは「自分に利するような発言」のこと。投資家・ジョージ・ソロスの本で知りました。本には「相場でロング(買い)のポジションをとった」「ショート(売り)のポジションをとった」という発言が繰り返しでできます。ソロスのように相…

きずなメール ・プロジェクトの真ん中にある「編集」「ライティング」

僕は編集者でした。だからきずなメール ・プロジェクトの真ん中には「編集」「ライティング」があります。これを説明するために、僕が「編集」「ライティング」してきたものを伝えてみます。 * * * 30歳くらいのときに、編集プロダクションから「版元」で…

セーフティネットとしての網をかける。網の目を詰める。”声無き声”とつながり続けるために。

きずなメールは、テキストメッセージを、情報や読み物としてだけではなく、社会的孤立を防ぐために用いようという試みです。「テキストメッセージによるセーフティネット」として機能させることに注力しています。 自治体等の法人に事業採用される=「網をか…

【議員さん、行政職員の方向け】母子保健、子育て支援の「プッシュ型」情報発信が、本当に役立っているかわかる指標について。

基礎自治体の議員の方は、子どもを産み育てるやすい社会に向けた政策を立案し、質問します。行政の方は、立案された政策を実施するとともに、議会を通して市民への説明責任を果たします。 2021年12月21日に閣議決定した「こども政策の新たな推進体制に関する…

「やさ日きずなメール」とユニバーサルデザインと「オルタク」

・理事の太田先生が理事会で「やさしい日本語ってどう?」といった話をしたとき、感ずるところがありました。・語彙の数=世界観の切り口の数。一人称を「I」とする言語、「私」「俺」「僕」「自分」を選べる言語では、世界観の切り口の数が異なる。多ければ…

テキストメッセージによるセーフティネットで「網をかける」「網の目をつめる」

・きずなメールは、テキストメッセージを”弱いきずなでつながり続けるセーフティネット”として活用することを目指しています。セーフティネット=安全網なので「網をかける」「網の目をつめる」というアクションが発生します。 ・最初の網は2011年3月1日に、…

「12/21 閣議決定 こども政策の新たな推進体制に関する基本方針について」を読んでみた。

昨年12月21日に閣議決定した「こども政策の新たな推進体制に関する基本方針」に「SNSを活用したプッシュ型の情報発信の充実」という文言が入りました(上図参照)。 きずなメールは設立時から、広くは”孤育て”予防、狭義には子ども虐待未然防止の施策として…

メールは「基礎メディア」です。

「きずなメール」は2017年ごろから「LINE」での配信を提案しています。2019年以降に配信が始まった自治体の多くは、LINE配信。メール配信だった自治体がLINE配信に「切り替え」るケースも増えています。 でもこれからは、メール配信はそのままに、他の配信方…

"孤育て予防"でも、寄付を募ることができた!

団体設立10年の節目に挑戦した「やさしい日本語版きずなメール」のクラウドファンディングは、無事目標金額を達成することができました! readyfor.jp ご支援くださった方々はもとより、支えて下さったステークホルダーの皆様、Readyforのキュレーター、こど…

「編集者」と「NPO」について。

「大島さんは経営者ですよね」といわれると、いまだに落ち着かないです。ですが「編集者」として、団体を「編集した」感覚はあります。実際に編集者だったのは2007年までですが、未だに「自分は編集者」という気持ちがあります。 この記事の目的は2つ。 ・僕…

「非接触」な支援としての「テキストメッセージング」

Covid-19により、児童福祉分野、医療分野でも「非接触」な支援が注目されています。僕は「テキストメッセージング」が、大きな可能性を拓くと考えています。 「テキストメッセージング」という語は、国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センターの精神…

「きずなメール事業」を「テキストメッセージング」という方法論で一般化していく。

「きずなメール事業」を一般化したいと考えています。「一般化」とは、同じことをやりたいと思った人が、同じレベル感でできるようになるという意味です。再現性を持たせたい。同じような手続きでコンテンツを編集し、同じように事業を構成することを、別の…

子ども虐待防止学会発表【「原稿」とSNSを組み合わせた、子ども虐待未然防止のためのポピュレーションアプローチの研究】について

子ども虐待防止学会第25回学術集会ひょうご大会発表 【「原稿」とSNSを組み合わせた、子ども虐待未然防止のためのポピュレーションアプローチの研究】について from yukkiestar 日本子ども虐待防止学会第25回学術集会ひょうご大会の参加メモに加えて、団体と…

子ども虐待「予防」における「第三の支援」について

あるときスタッフの中から「きずなメールを読んでもらうことは、子どもの権利擁護につながりますね」という一言がありました。子ども虐待は、子どもへの権利侵害です。子どもへの権利侵害を防ぐ、子どもへの暴力を未然防止する目的で、養育者とその家族全員…

つながりを「やわらかく」。

つながりにはいろいろあります。親と子、夫と妻、社長と社員、医師と患者、国と主権者、国と納税者。それぞれに見え方や手触りがあると思います。国と主権者なら硬い、厳しいつながり、家族ならやわらかい、ゆるいつながりとか。 自治体と市民のつながりは、…

父親向けの海外サイト「sms4dads」は、テキストメッセージングサービス(text messaging)の可能性を拓く。

「sms4dads」というサイトを専門家の方に教えていただきました。訳すと、「父親(dads)のための(for)ショートメール(SMS)」。テキストメッセージング(text messageing)によって、対象に働きかける(専門用語で"介入”といいます)研究です。オーストラリアの…

児童虐待予防における”やわらかな身振り”について。

大丈夫3兄弟 特注パネルも作りましたー 上の写真は、団体のオリジナルキャラクター「大丈夫3兄弟」の特注パネルです。これは、「すべてがメディアだよねー」という発想から生まれたものです。 * * * 「きずなメール」はその名の通り、人と人との「きずな…

きずなメールの「福祉的編集方針」

きずなメールが、他のインターネットコンテンツと何が違うかを一言で言い表せないか、そうすれば、同じような取り組みやコンテンツを増やせるのではないか。 と考えていたときに浮かんだのが、「福祉的編集方針」という言葉です。 通常の「編集方針」と何が…

「情報」を「メッセージ」へ。 自治体・企業・NPOによる「子育て支援連携事業」全国大会に参加して

2016年2月1日(月)、イイノカンファレンスセンターにて、内閣府主催の<自治体・企業・NPOによる「子育て支援連携事業」全国大会>が開催されました。きずなメール・プロジェクトは、自治体とNPO法人の連携事業の例として「文京区子育て応援メール」につい…