きずなメールは、テキストメッセージを、情報や読み物としてだけではなく、社会的孤立を防ぐために用いようという試みです。「テキストメッセージによるセーフティネット」として機能させることに注力しています。
自治体等の法人に事業採用される=「網をかける」こと。
その法人で読者を増やす=「かけた網の目を詰める」こと。
これを視覚化してみました。
①創業時、日本全国に「網をかけた」けれど。
2011年3月1日に「きずなメール」の自主配信開始。誰でも無料で登録できますが、無名なので、最初はTwitterで読者を募りました。
自主配信開始=日本全国に「網をかける」
Twitterで読者を募る=「かけた網の目を詰める」
仮に下の長方形を「日本全国」とすると、こんなふうに網がかかった状態。
スカスカです(T_T)。
②法人事業として「網をかける」
創業時は資金もなく持ち出しなので、動くと赤字になります。サステナビリティを得るため、医療機関や自治体等の法人事業としてのファンドレイジングを試行錯誤。やがて主に自治体の事業として「網をかける」ことができるようになりました。市民の行政サービスとして周知するので、自ずと網の目は詰まります。D自治体のように人口規模が大きいと、網も大きくなります。
③さらに「網を目を詰める」
とはいえ、周知活動は自治体によりバラツキがあります。周知を仕組み化できている自治体は、継続的な新規登録があり「網の目を維持」してさらにセーフティネットの「目を詰めていく」ことができます。
仕組み化はこれから、という自治体は、新規登録が安定せず、網の目も詰まらない。下記のAとDは、「網の目がさらに詰まった」イメージ、BとCは「今以上に網の目が詰まらない」イメージ。
セーフティネットの「網の目」は、その大きさを維持し、より細やかにするためにPDCAが回せる仕組みが欠かせません。団体では、母子手帳交付時に対面で「おめでとうカード」を手渡しながらきずなメールの登録を薦めるアクションを推奨しています。
今はこんなことを、団体のみんなで模索しているフェーズ。団体の自治体担当であるJKP(自治体協働パートナー)はかけた網を維持し、さらにその網の目を詰めるためにがんばっています。「新しい網」を設置するための政策企画提案=SKT(←書きながら思いつきました。皆の反対があったらやめます)チームは、企業でいう「営業」と、NPOとしての「アドボカシー」「ロビイング」が混然一体となった未知の分野に、果敢に切り込んでくれています。
④将来的なイメージ
「網をかける」「網の目を詰める」がさらに進んだイメージが下記。(図が拙くてすみません。パワポで作っています)。
最終的には国の政策として「網をかける」「網の目を詰める」ことを目指しています。
”声無き声”とつながり続けるために。
子ども虐待対応で、「分離」と「統合」という相反する判断を児相に頼る制度的課題は残されているものの、重篤化するケースに対応する社会的な仕組みは整ってきています。
同時に、コロナ禍とフィルターバブルの今、”声無き声”を拾って、重篤化する前に防ぐことが社会的なissueになりつつあります。対面の支援と、ネットを活用した「予防」がセットとなる時代が始まっています。
きずなメールは親支援でもありますが、皆で目指しているのは、親の向こうにいる子どもの最善の利益。真ん中にいるのは「子ども」です。
複数専門家が監修した確かな「テキストメッセージ」を、「弱いきずな」として活用し、「ゆるやかにつながり続ける」ことで、社会的孤立を予防していきます。そのために「網をかけ」「かけた網の目を詰める」ことを、これからもやっていきます。
ゴールデンウィークの富士山。