きずなメール・プロジェクト 代表のblog

顔と名前を出す人生です。

メールは「基礎メディア」です。

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「きずなメール」は2017年ごろから「LINE」での配信を提案しています。2019年以降に配信が始まった自治体の多くは、LINE配信。メール配信だった自治体がLINE配信に「切り替え」るケースも増えています。

でもこれからは、メール配信はそのままに、他の配信方法も増やす「併用」を勧めていく方針です。なぜなら「メールは基礎メディア」と考えるようになったからです。

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考え始めたきっかけは、僕の住んでいる地域の教育委員会が「Google for education」を導入したこと。息子がある日、学校から返ってきたら「父ちゃん、学校でGoogleアカウントもらった。ログイン教えて」と。ログインIDは学校から提供されたgmailアカウント。教育は国家の礎(いしずえ)、本来ならば国益保護のためも日本のIT企業が入りそうなものですが、コロナ禍の対応スピードでGoogleに抗えなかったのではと受け止めました。

これを機に考え始めると、そういえば、セキュリティに敏感だったSEがgmailを使い始めたことも。彼は数年前まで「Googleのセキュリティは信頼できない」と言っていましたが、それでもgmailの一般化の波には抗えず、今は僕とgmail でやり取りしています。

僕らが仕事をすることが多い自治体の方も、基本はメールのやりとり。政府から都道府県を経由して届く行政上の「公文」「通知」も、メールにPDF添付だったのを見たことがあります。エビデンスを担保する学術的なコミュニティも「メーリングリスト」を基盤にしている所も多い。想像ですが、国際間の要人のやりとりも「メール」はある程度フォーマルなメディアとなっているのではないでしょうか。

「きずなメール事業」は、今も「メール」に軸足をおいている自治体が多い。運用がシンプルで市民も使い慣れているし、費用も安いし、何しろ「市民に情報が伝わっている」リアリティがある。「若い世代がメールから離れている」のは事実としても、彼らも社会に出たら「メール」には触れます。

新しいメディアの台頭で古くなったように見えますが、社会的機能から見ると、どの年齢層や職域でも使われる最大公約数のインフラになっている。ならば「基礎メディアとしてのメール」を土台として、新しいSNSが広がるイメージが適切ではないでしょうか。

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話は変わります。僕はiPhoneユーザーですが、AndroidユーザーはGoogleアカウントは取得必須なのではないでしょうか。我が家の子どものゲームの設定でも、最終的にはgmailアカウントを作らざるを得ませんでした。これからの人生で「IDとパスワード」は避けられないですが、気がついたらIDはメールアドレスになり、メールアドレスはgmailになっている。子どもにはひとまず「gmailのアカウントは、君たちの時代には国際間のIDになるかも知れないから、信用第一で使わないとね」と伝えました。20世紀はnation stateの時代ですが、nation stateの境目である「国境」の消滅が目の前で始まっているのかもしれません。

 

現場からは以上です。