きずなメール・プロジェクト 代表のblog

顔と名前を出す人生です。

「やさ日きずなメール」とユニバーサルデザインと「オルタク」

・理事の太田先生が理事会で「やさしい日本語ってどう?」といった話をしたとき、感ずるところがありました。
・語彙の数=世界観の切り口の数。一人称を「I」とする言語、「私」「俺」「僕」「自分」を選べる言語では、世界観の切り口の数が異なる。多ければいいということでもなく、そういうカルチャー。
・言語が異なる人同士が話すなら、切り口を少なくした方が、コミュニケーションしやすい。日本語の場合、これが「やさしい日本語」にあたる。
・それぞれの違いを尊重しながら、共通する部分を探したら、やさしい日本語になる。きずなメールのコンセプトと同じ。ピクトグラムユニバーサルデザインにも通じる。
ユニバーサルデザイン=普遍的設計。
・「共通する部分」というと、このエピソードを思い出す。

(筆者は)ある大家族の家に招かれた。その当主はウズベク人の老人であったが、家族の中には同じテュルク系のカザフ人、クルグズ人、ウイグル人、タタル人、さらにはトゥングース系のシボ人までいた。いったい、家族の中では何語で話しているのかと尋ねたところ、答えは「オルタク」であった。オルタクとは「真ん中に(ある)」という意味である。つまり各自の言語が重なり合う中間的なボキャブラリーを使って話せば、通じるというのである。(講談社学術文庫「スキタイと匈奴 遊牧の文明」林俊雄 P359)

・地続きの大陸の感覚はこんな感じではないかと思う。島国の僕は想像するのみだけど。

・とまれ、やさ日きずなメールは、翻訳が終わるまで、オリジナルきずなメール(ひとまずこの呼び名にしておきます)の派生物のように捉えていましたが、今では、もしかしたら、きずなメール全体を包摂する上位概念になるかもと感じています。
・実際に、やさ日の翻訳過程は、オリジナルきずなメールの内容を見直す作業になっていました。
iPhoneのデフォルトのフォントはヒラギノ角ゴ ProN W3ですが、これもUD(ユニバーサルデザイン)フォントになるかも知れず。少なくともやさ日きずなメールはUDフォントであるべきではないかと。

・やさ日翻訳のルビ振り作業の際、CMS「伝えるweb」で多大なご協力をいただアルファサード株式会社さんは、そのwebサイトで「社内の公用語をやさしい日本語にしていく」と表明されていました。やさしい日本語のCMSを提供する会社が、会社としてやさしい日本語を組み入れていく、その姿勢にエネルギーをいただきました。

・そういう僕のこのブログはまったくやさしくない日本語で恐縮ですが、関わる人々の「オルタク」を目指して精進します。

 

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www.kizunamail.com

 

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