きずなメール・プロジェクト 代表のblog

顔と名前を出す人生です。

「ためまっぷ」清水社長にお越しいただきました!

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経営学者のドラッカーは、「『なぜこれが今までなかったんだろう』。これがイノベーションに対する最大の賛辞である」といいます。


初めて「ためまっぷ」のことを聞いたとき「半径500メートル以内」の人とつながるために「チラシの画像を使う」という発想に「なんで今まで誰も思いつかなかったんだろう」と思いました。

 

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縁あって、その「ためまっぷ」を開発した株式会社ためまの清水社長に、事務所にお越しいただきました!(感謝)


「ためまっぷ」とは地域情報を「チラシ」を介して共有するシステムです。といってしまえば簡単すぎますが、実証実験を行った神戸市長田区では、子育て中のお母さんから「これがあってよかった!」「助かった!」という声が多数上がったとのこと。

 

「ためまっぷ」をなぜ思いついたか清水社長に直接お伺いしてみました。

 

「子どもが3歳ぐらいのとき、地域につながりがないと、とにかく行くことろがない。公園にいってもすぐ慣れてくるし。同じように子どもがいる友人に聞いても“イオン(のショッピングモール)巡りしているよ”って(笑)

でもあとから、地域ではいろんな人がいろんな活動してること、年配の方なんかは子どもたちに来てもらいたいと思っていることを知りました。ならば、なぜ出会えなかったんだろうか。ネット検索で全然探せない。

小さい時期に、親以外のいろいろな大人と触れ合うことは絶対にとても大事。その場その時の出会いが地域では顔見知りとしてつながっていくはず。自分は親としてそれをやってあげられなかったなぁ。そんな気持ちがこのサービスの出発点です」


10数年前、僕もほとんど同じだったかかもしれません。当時は会社勤めで、地方出身者同士の結婚なので地縁はない。公園デビューしても、父親同士で世間話は簡単には起こらないし、母親の輪に入るのは今でもハードル高し。とはいえ、妻にも週末くらいはゆっくりしてもらいたいし、子どもと2人で過ごすことにも慣れたかったので、2人で結構出かけました。定番はプールと動物園。でもそれも一種の「ネタ」で、段々とネタ切れしてさまよっている感、ありました。

 

「後にわかってきたんですが、地域活動する人・団体はいっぱいいて、見えていない、出会えないだけ。そういう団体はチラシを作ります。自分なりに地域のつながりを作っていきたいと考えたときにそのことに気づいて、何とかしたいなと。最初はSNS的な仕組みにチラシの文字情報を手で打ち込んでいたんですが、あまりに大変だったので画像で上げたら、いい感じだったんです。すでに必要な情報は書いてあるし、入力ミスも起こらないし」(清水社長)


ネット全盛の今でも、チラシがなくならないのには理由があります。チラシは、文書のよる1次元のリニア(直線的)な情報を、2次元のノンリニア(直線的でない、という意味。この場合は「平面的」)情報に【編集】したもので、情報伝達のスピードが上がります。TwitterFacebookでスクショが多いのはこのためです。グラフィック・ファシリテーションは、リニアになりがちなディスカッションを2次元化することで、より高度な結論(メタ情報)を生み出そうという試みです。


例えば「読み聞かせの会を開催します」という文字情報だと、読んだ通りです。これをチラシしたとき、そこに使うフォント(文字書体)、キャッチコピー、トータルなデザインで、そのイベントをやるのがどういう人やコミュニティなのか、コンテクスト(文脈)を瞬時に読み取ることができます。

 

地域のイベントは「どんな人たち(=コンテクスト)が何をやるのか」、つまりママさんグループか高齢者のグループか、男性の地域活動なのか、どんなことをいつやるのかがわかることが大事です。でもそれを知るために「検索」までするのは、ネットに慣れた人だけ。イベント情報を発信する側も、わざわざ文字情報に起こしてネットに上げて「検索」にかかるようにできる方は少数派です。

 

「自分の子育てと、地元の広島で子どもに関する悲しい事件もあって、なぜ地域でつながれないんだろう、どうやればゆるくつながれるんだろう、と考えてきました」(清水社長)

 

広島の事件とは「広島小5虐待事件」(2012年)でしょうか。僕がきずなメールをやることになった理由に通じるものを感じました。

 

「半径500メートル以内」とは、【人間の日常生活の中での物理的な移動距離】と、僕は受け止めています。買い物するのに1キロ先のスーパーはちょっと遠いですし。この500メートル以内にフォーカスした「ためまっぷ」の可能性に注目していきたいです。どこかの地域で「きずなメール」とも出会いそう。清水社長、ありがとうございました!